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鬼胡桃瘤杢の香炉 墨流し節 4寸(120mm)頭八型 極上杢
鬼胡桃瘤杢の香炉 墨流し節 4寸(120mm)頭八型 極上杢
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鬼胡桃 瘤杢 香炉(銅製灰落とし付)— 一点物
国産の鬼胡桃(オニグルミ/Juglans ailanthifolia)の瘤杢だけを用いて挽き上げた香炉です。鬼胡桃の瘤は採取量自体が少なく、さらに器物に耐えるサイズ・健全度・乾燥状態を満たす素材はきわめて稀少です。とくに“節目の美”を主役に据えられる原木はほとんど出会えず、素材の確保から加工までが非常に困難——本作はそうした条件を満たした、まさに一期一会の作品です。
鬼胡桃瘤特有の深みある焦げ茶色は、自然が長い年月をかけて生み出した天然色。光の加減で黒褐色から温かみのある濃茶まで表情を変え、まるで古木の年輪に宿る時間の重みを映すかのようです。瘤特有の玉杢・葡萄杢が密に湧き立ち、ところどころを流れる黒い筋は墨流し模様として景色を結びます。今回はこの墨流しの中心線と節目が最も映える位置にくるよう、原木のどの面を口縁にするかをミリ単位で追い込み、荒挽き→休ませ→本挽きの工程を繰り返して**意図した景色を面に“定着”**させています。外からは見えないこの調整には、長年の経験と緻密な勘が不可欠です。
内部には、日本の熟練ヘラ絞り職人による手作りの銅製灰落としを組み込みました。精密な手仕事によって成形された灰落としは、蓄熱性・耐久性に優れ、香炉としての機能性を格段に高めます。灰や香砂を敷いて抹香・印香・練香・香木小片、またはコーン型の香にも幅広く対応。使用後は灰落としを取り外すだけで灰を処理でき、木地に熱や香りが移りにくい構造です。
仕上げは木肌を呼吸させるオイル&ワックス。極細研磨で艶を引き出し、指先にしっとり馴染む手触りに整えています。瘤材ならではの小ピンホールや黒杢(自然の充填痕)は天然木の証明として意図的に活かし、景色の一部にしています。
唯一無二の杢と節を活かしきった、“木工芸の芸術品”としての香炉。鑑賞にも実用にも耐え得る、まさにスペシャルな逸品です。
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